2007年11月20日
【45】自然薯
粘りのパワー、山里の自然薯づくり
ヤマイモとして同じように呼ばれてしまいますが、山野に自生する日本が原産の「自然薯(ジネンジョ)」は、よく見かけるナガイモ、ヤマトイモ、イチョウイモとは別種のものだそうです。野生の自然薯は採取が大変で、なかなか手に入りにくいものです。最近になって栽培技術が開発され、畑でつくられるようになりました。すりおろした「自然薯」の粘りは滋養強壮の源として珍重されてきました。
10度以上の昼夜の温度差が粘りとコクを増す
伊勢本街道と吉野道の合流点、奈良県宇陀郡御杖村に「自然薯」を栽培されて10年の大ベテラン、種村さんを訪ねました。笑顔に迎えられるやいなや、すぐに裏の自然薯畑に案内されました。すでにツルと葉は枯れ支柱は取り除かれて(最初の写真はお隣の自然薯のツル)、棒が刺さった畝があるだけの状態です。私もテレビで見た記憶はあるですが、間近で収穫を見せてもらうのは初めて。目印の竹の棒の下にこの1.5m程のパイプが入っているとお聞きしました。「まあ、掘ってみましょか」。土が掘られ、畝の中のだんだんとパイプが姿を現しました。目印の部分には芋の先が顔を出し、種芋はこの状態で植え付けてあったんです。色々な栽培法があるようで、「この栽培法では、パイプは15度位の角度で埋まっています。」
掘ってみな、わからんのやけど・・・
パイプが掘り出され、いよいよ「自然薯」とのご対面。パイプをひっくり返し、土を丁寧に取り除くと、出てきました。自然ものみたいにクネクネしてはいませんが、日頃食べ付けているナガイモとは違い、芋の色が濃いように思えます。測っていただくと、1m60cmあるりっぱな「自然薯」。「ええ芋や」思わずにっこり。
所狭しと並んだ収穫の自然薯
3月下旬に土づくりを完成し、前記したパイプに種村さんが一番良いと取り寄せた赤土(無菌土)を詰め、4月中旬に種芋を植え付け、一本づつ支柱をセット。半月後には芽が出、10月末〜11月初旬にツルが枯れた後約2ヶ月かけてムカゴを獲り、支柱を取り除きます。本日おじゃました状態までの工程は文章だと簡単ですが、結構ハードで腰にこたえるみたいです。ムカゴから育てると収穫までは3年、今回のように掘り出した芋の先の部分を種芋として育てると、その年に収穫できます。でも基本的に口に入るまでに3年の月日を要します。上記した工程で300〜330本栽培し、馴染みのお客さんの手元へ。いやはや、大変な作物。
そのままで味わいます
ご好意で奥さんが、すり下ろしていただいたトロロをいただきました。何も付けずに芋の風味と味で充分な美味しさ、粘り。正に山里の匠の「自然薯」を味わいました。ありがとうございました。
2007年11月16日
【44】薬効の強者「センブリ」
森林公園で有名な「センブリ」に出会ったので、紹介します。
「センブリ」はリンドウ科センブリ属の2年草で、山地の日当たりのよい草原に生えます。
草丈は15〜20cm程、花は小さくて可憐な合弁花で白色か薄い紫色をして、9〜10月頃開花します。
この花の付いた状態で乾燥し使用。
健胃薬として知られており、日本の薬草の中でも重要な生薬の一つです。
「センブリ」は日本固有の薬草で、千回振り出しても(煎じても)まだ苦いことによることが名前の由来だそうです。子供の頃祖母に「言いつけを守らないとセンブリを飲ませるよ」と言われたのを記憶しています。また、赤ちゃんの乳離れにお母さんの乳首に塗ったとも聞かされたことがあります。苦さは天下一品みたいです。
2007年11月15日
【43】今が旬、新生芋で作る手作り「コンニャク」
今が旬、新生芋で作る手作り「コンニャク」前号に引き続き、ヘルシーで日本伝統の「コンニャク」。今秋穫れたての新芋でコンニャク作りの流れを、奈良県御杖村の御杖村桃俣農産物加工組合のご協力により紹介させていただきます。
「コンニャク」が、庶民の間で食べられ始めたのは、平安時代になってからです。蒟蒻と柿とうれしき草の庵(芭蕉)・・・松尾芭蕉も蒟蒻が大好物とか、柿が色づくこの季節、秋景色を楽しみながら「コンニャク」に舌鼓だったのかもしれません。
本日は140丁の「御杖コンニャク」
今回はその新芋の「コンニャク」作り。生芋100%・無添加の「コンニャク」ができるまでの2時間をご紹介します。朝8時に伺うと、すでに蒸された「コンニャク」芋の皮がむかれています(写真1)穫れたての芋は、見た目ジャガイモと勘違いするほど薄黄色。素早くサイコロ状に切られ(写真2)、堅さを調節しながらミキサーにかけられます(写真3)この状態では液状です。その後しっかりと練られ1時間寝かせます(写真4.5.6)
おばあちゃんこだわりの地元産ナラ・クヌギ木灰(アク)使用
1時間後再度練り機に入れ、凝固剤の木灰(アク)を混ぜます。この工程で、皆さんお馴染みのコンニャクのにおいに変化しました。色も変わり、次々と20丁の型に入れられ、手早く伸ばされます(写真8.9)形を整えて空気を抜いた後、一斉に湯がかれます。湯がき1時間工程の直前に釜から外に出し(写真10)、商品定形に切られ(写真11.12)、再度釜の中へ。10分ほどで完成。
天然ヨモギ入りも格別の味
同時進行で保存してあった、春に獲ったヨモギ(写真13)を混ぜた「コンニャク」も作られています。上記と同じ工程を経て丸いヨモギ入りコンニャクも釜で湯がかれます(写真14)湯がきたては湯気があがり中にあんこでも入っているような(写真15)・・・アツアツをごちそうになりました。ヨモギの香りがして最高です。「作りたては旨い!」
8時から初めて完成はお昼。湯気でレンズが曇り途中大変でしたが、今回は、初めてコンニャク畑の芽吹く頃から「コンニャク」完成までを取材させていただきました。
加工段階では何回も失敗を繰り返した苦労談もお聞きして、尚更のごとく色々な方たちの大変さ、食べ物の大切さを実感しました。ありがとうございました。
手作り「御杖コンニャク」は御杖村道の駅でお買い求め頂けます^^
▼御杖村
http://www.vill.mitsue.nara.jp/index2.html
▼道の駅
http://www.michi-club.jp/detail/station.php?stationid=000294
【42】コンニャク芋の収穫
ヘルシーで日本伝統の「コンニャク」。初夏の畑の状況からから11月の新芋収穫、そして穫れだちの芋で生芋のコンニャク作りまでの流れを、奈良県御杖村の御杖村桃俣農産物加工組合のご協力により紹介させていただきます。当組合の「御杖コンニャク」は御杖道の駅で販売されているほか、地産地消・食育の流れを汲み地元の給食でも使われています。
「コンニャク」芋はサトイモ科の多年生植物で、種芋を春に植え付け、6月に芽が出始め、7月頃に葉がつきます。通常10〜11月に葉が黄色になり、枯れて倒れた時期に掘りあげ収穫します。ただし、寒さには弱く、腐りやすく収穫後は乾燥させてから保存されます。地下茎でできた小芋(1年生)を翌年に植え付けます。掘り出さずに土の中にそのまま越冬させると、成長が極端に悪く、保存された種芋を翌年施肥された場所に植え替えます。3〜4年でソフトボール大に育ちます。
敷きわらの間からニョキニョキ
今回取材先の奈良県御杖村桃俣地域でも、昔は殆どの家でコンニャクを栽培していたそうですが、現在は主に10軒ちょっとの方になっているそうです。7月はじめに畑の方に伺いました。畑に入ろうとして足を踏み出すと、そこにマムシが・・・・・。追い払ってもらい怖々撮影。8月末に再度訪れると、山間の斜面の畑は一面に葉が生い茂り鬱蒼としていました。
いよいよ収穫
天気が悪い日が続き、少し遅くなったのですが10月末に収穫をと出かけました。あいにく夏に撮影した場所は、すでに収穫済。急遽別の畑を紹介してもらいました。少し時期が遅くて幹が倒れて枯れてしまい、どこにあるか見つけるのが難しい状態でしたが何とか掘り起こしてもらいました。さすが手慣れたもの。点生子(きご・・・点線の部分)という芋の子供が付いています。これを植えると芋になるそうです。 しっかり乾燥され「コンニャク」加工にそなえます。
生芋コンニャクの加工は次号をお読み下さい。
2007年11月14日
【41】現代型日本人には最適な健康野菜「ヤーコン」
「ヤーコン」はキク科の多年草で南米アンデスが原産です。
日頃何気なしに食べれれているジャガイモも同じ原産地です。
根茎にできる芋は、ご覧の通りサツマイモによく似ています。
数年前までは馴染み薄でしたが、最近のヘルシーブームの中メディアで紹介され、低カロリーで色々な効能が多く人気が上がり需要も広がっています。
便秘解消や生活慣習病予防、ダイエットなどに・・・
「ヤーコン」は野菜の中でも最も多く「フラクトオリゴ糖」を含んでおり、ビフィズス菌などの有用菌を増やし整腸作用を高めてくれます。食物繊維も豊富で便秘予防やダイエットに効果的。又、活性酸素を除去する「ポリフェノール」も多く、生活慣習病にも効果を発揮してくれます。欧米型の食生活になってしまった日本人には、「ヤーコン」は正にもってこいの健康野菜です。
クセなく美味しく、ヘルシー
11月の初旬、奈良県宇陀郡曽爾村、ススキで有名な曽爾高原の近くにある「クラインガルテン曽爾」で「ヤーコン」の収穫を取材させていただきました。この施設は滞在型市民農園として(財)曽爾村観光振興公社が管理運営されており、その敷地内で公社の方がヤーコンを栽培されています。担当されている土井さんによると、5年前に県から種芋を譲り受け2人で栽培を開始。高原の気候・風土が合い翌年から大量の収穫。当時は「ヤーコン」はあまり知られておらず、試行錯誤の中現在では生芋をはじめヤーコンカレー、ドレッシング、ヤーコン茶など加工品も次々と商品が増え、お客さんからは好評だそうです。「ヤーコン」は水分が多くジューシーで食感は梨のようにシャキシャキとしており、上品な甘味がありクセもなくサラダをはじめ様々な料理に使えます。また葉にも血糖値抑制効果があり、ヤーコン茶として番茶みたいな味でクセがなく飲みやすいそうです。
「ヤーコン」は新しい特産品
今年は300株が約500平方mで栽培され、11月末まで順次収穫作業が続きます。平均して一株で10個、約5kg合計で約1,500kgの収穫予定だそうです。さすが南米原産、生命力旺盛で草丈は1.5〜2mにも育ち、黄色い花が咲いたら収穫のタイミング。土井さんが引き抜いた株には14〜15個ほどの芋が付きずっしりと重そうです。収穫後は洗った後自然乾燥。10日ほど干すと甘味が増すそうです。株の根本(魂茎)には平均30個の種芋ができ、乾燥保存した後来年早春には苗床で育て4月頃に定植されます。鹿の被害もなく作りやすく、ヘルシー野菜「ヤーコン」は曽爾村の特産品として定番になっています。
▼クラインガルテン曽爾
http://www.vill.soni.nara.jp/kankoukousya/klein/index.html
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曽爾村ファームガーデン
http://www.vill.soni.nara.jp/kankoukousya/farmgarden/index.html